ラジアントヒストリア
ラジアントヒストリアは、2010年にアトラスから発売された、ニンテンドーDS用のRPGです。開発はアトラスとヘッドロック社が行いました。

このゲームは時間移動をテーマにおいた珍しいRPGで、物語の進行でバッドエンドとなっても過去に遡ってやり直すことができます。主人公が時間移動を利用し、砂漠化で崩壊しつつある世界を正しい道へと導くのが目的です。
戦争モノでもあるので、様々な人間の思惑や行動が錯綜し、重厚なヒューマンストーリーを楽しめる作品です。


~ストーリー~
大規模な砂漠化が進み、残り少ない土地を巡っての戦乱が繰り広げられているヴァンクール大陸。
東の大国・アリステルの情報部で剣士としても諜報員としても屈指の実力を誇るストックは、ある任務で敵軍の追跡を振り切ることに失敗し、絶体絶命の窮地に立たされる。
同行していた仲間たちは彼を逃がそうとして命を落とし、彼自身もまた重症を負い、生死の境をさまよってしまう。しかし、任務の直前に上司からお守りと称して渡されていた「白示録」が光を放ち、ストックは過去に戻る力を授かる。

白示録の力で過去をやり直して死ぬはずであった仲間を救い、窮地から生還した彼は、案内人を名乗る双子の少年少女から、その力を使い、戦乱の中で砂漠化していく世界を滅亡の未来から救うことが、白示録の所有者に与えられた使命であることを聞かされた。

かくしてストックはこの力で時間を行き来し、戦争と世界の滅亡を阻止するために奔走することとなった。

ラジアントヒストリア1
このゲームはグラフィックは全てドットで描かれ、主要キャラクターには一枚絵が用意されています。上記画像で座って話をしているのが主人公・ストック。普段は冷静沈着であまり感情を表に出さないタイプ。しかし、ときには怒りや想いが爆発することも。その人を引き付ける魅力に惹かれる仲間は多い。
公式ホームページの人気キャラクター投票で1位を獲得した絶対的主人公です。
ラジアントヒストリア2
これが「白示録」。初めは白紙の本ですが、ストックが行動するにつれて歴史が書き込まれていきます。
上のルートが正伝(正統な歴史)で、下のルートが異伝(異なる歴史)です。このルートは序盤の「重要な決断」により始めにどちらに進むかが決まります。
一方のルートを進めていくと、シナリオの関係上進めなくなるポイントが発生し、そのときはもう一方のルートを進めることになります。これにより、歴史に変化が起きたり、重要なスキルを覚えたりして、進めなかったポイントを突破できるようになります。
基本的にこれを繰り返してストーリーを進めます。

そうするとどうしても何度も同じポイントに時間移動することが発生しますが、一度見たメッセージはスキップ可能で、さらにイベントもスキップできるので、程よく快適にゲームを進行させることが出来ます。

報酬が貰えるクエストも存在し、同じようにしてクリアしていきます。
ラジアントヒストリア3
このゲームでは「重要な決断」を迫られることが度々あります。どちらを選んでもいいケースと、バッドエンドとなる選択肢が含まれるケースがあります。バッドエンドになっても白示録の力でまたやり直せるのが、ほかのRPGとの違いですね。
それでも一発で正解を当てたいものですが(笑)
例外的にストック自身がその場所に居合わせていない歴史は変えることはできません。白示録も万能ではないということです。
ラジアントヒストリア4
歴史が動く瞬間です。
リアルの人生も多くの選択肢の上で成り立っているんですよね…。

ラジアントヒストリア5
変わってこれは戦闘画面。
上画面に行動順が、下画面にそれぞれのキャラの行動メニューが表示されます。

このゲームの戦闘ではコンボの概念があり、同じ敵に対して何回攻撃をヒットさせたかでダメージ上昇率が変わってきます。
そこで「チェンジコマンド」。これを使うと、自分の行動ターンを味方や敵に譲ることができます。これを利用して多段コンボを狙ったり、ピンチのときに体制を立て直したりする訳です。

「マナバースト」は戦闘中徐々に溜まっていく「マナゲージ」を全て消費して放つ超必殺技で、相手のターンを消すほか、全体攻撃、強力な単体攻撃、補助系など様々なものがあります。
ラジアントヒストリア7
敵は3×3のグリッド上に配置されています。
敵は普通のRPGのそれよりもHPが多めで、単発の物理攻撃や、オートモードでは戦闘終了に時間がかかってしまうようになっています。
ラジアントヒストリア6
そこで敵の位置を移動させるスキルが活躍します。ストックの「ライトアサルト」で下段中央にいる蜂型モンスターを真ん中に吹き飛ばします。
次にマルコ(緑の小さいキャラ)の「プッシュアサルト」で真ん中に集まった敵2匹を奥へ吹き飛ばします。
そうすると敵が3体重なるので…
ラジアントヒストリア8
ここでレイニー(青い服の女性)の魔法「フロスト」で一毛打尽です。
このように従来のRPGとは異なるシミュレーションチックで戦略的なバトルを楽しめます。

ラジアントヒストリア9
ここからはネタバレになってしまうので、読み飛ばしていただいても結構です。どうしてもブログに載せたい大好きなイベントなので…。

上記画像で話をしているのはアリステル国のラウル中将。理由あって国を追われ、ストックたちと行動を共にしています。獣人族の隠れ里に身を寄せた一行ですが、敵国とその同盟国がそこへ攻めてくるという情報が入り、こちらも助っ人が来てくれるというので迎え撃つこととなります。
ラジアントヒストリア10
先の戦で敵の謀略に嵌ってしまい、全ての部下を失い、自身も深手を負ってしまったアリステルの若獅子・ロッシュ。 彼の肉体の一部となっている武器、ガントレットも動かなくなり、すっかり戦意も喪失してしまいました…。
そんな彼に対してストックは剣を抜き、本当にもう戦えないのか、彼の心の真意を確かめようとします。
ラジアントヒストリア11
ラジアントヒストリア12
それは亡きキールや死んでいった仲間たちが、ロッシュならアリステルを救ってくれると信じていたから。
ラジアントヒストリア13
ストックに一方的に攻撃され、果たしてロッシュはどうなってしまうのか…。
続きが気になる方は是非プレイしてみてください!!



このゲームは個人的に、DSのオリジナルRPGの中でも3本の指に入るお気に入りのゲームです。
時間移動が多いことや、終盤になると敵との戦闘が煩わしくなってくることが主な欠点として挙げられますが(ストックの足音がうるさいという声もあります、私は平気でした)、ストーリーがタイムトラベルものなのに特に矛盾点がなく、何より小説のような重厚なストーリーがすばらしいです。

BGMも著名なゲーム音楽家の方が担当されただけあって、耳に残るものが多かったです。戦争モノということで、悲しげなものや戦場の危機感を醸し出すものが印象に残っていますね。

ボイスもない上、キャラの立ち絵も一枚だけですが、このゲームにはそれを補って余りあるドラマが詰め込まれています。


総評:私のメガネにとてもかないました!!
もし3DSでロクなRPGがないと思っていたら、DSのこのソフトを手にとって見てください。エンディングはマルチですが、クエストをちゃんとこなしておけば正統なものを見ることができます。この終わり方がまた…いいんですよ。
クリアまで約40時間程のボリュームですので、週末に少しずつプレイするのにもピッタリだと思います。


当ブログをご覧頂きありがとうございました!

それでは また。