ペルソナ4は、2008年にアトラスから発売された、プレイステーション2用のジュブナイルRPGです。
日本ゲーム大賞2009、ファミ通アワード2008において共に優秀賞を受賞した作品です。
その後本作に追加要素を加えた『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』や2D格闘ゲーム『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』、ダンジョン探索型ゲーム『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』、音楽ゲーム『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』などの派生作品が生まれました。
また、アニメ化、小説化、ドラマCD化などのメディアミックス展開も行われ、メディアの垣根を越えてブームを生み出したヒット作品です。
私がこのゲームと出合ったのは、体を壊して休職中のときでした。特にやることもなくDSのゲームをやっていたんですが、面白く感じなくなってしまっていて、どうせやるなら時間もあるしPS2の人気RPGでもやるか、とネットで検索したところ、この作品を見つけました。
アパートの近所の中古ショップに売っていたことを思い出して、買いに行ったら発売後1年経っているのに値段が5,000円程して「たっけぇな~」と思いながら買って帰ったことを覚えています。
プレイしていくうちに、値段の理由が分かってきました。
このゲームはロゴ表示後にオープニングアニメが流れます。これがメチャメチャカッコよくて、まずこの時点で度肝を抜かれました。
スタイリッシュな英語歌詞のオープニング曲と映像。積み上げられた大量のブラウン管テレビに映し出される「Persona4」の文字、ベルベットルームの描写、くないを手でくるくる回す陽介、くないキャッチのアクションから千枝のキックへと移って、雪子、完二…と次々と目まぐるしく変化する映像に目が釘付けになりました。そして最後のブラウン管テレビに映し出された無人のベルベットルームの映像から「Presented by ATLUS」の表示の切り替え。
最近のPS2ソフトってここまで進化したの!!? 長らくPS2の新作から遠ざかっていた私は脳天直撃級のショックを受けました。
そしてまた画面が切り替わってタイトル画面。ここのBGMがこれから始まる物語の全てを象徴しているかのような、切なく、でもとても美しいメロディーなんですよ。
私はこの時点で確信しました。絶対このゲーム面白い。間違いない。
物語は主人公が両親の仕事の都合で、都会から田舎にある親戚の堂島家へ引っ越してくるところから始まります。1年間堂島家で生活することになり、高校2年生として新生活をスタートし、そこであることからペルソナ能力に目覚めた主人公が、仲間達とともに町で起きる猟奇殺人事件の謎を追っていく、というお話です。
ちなみにソフト発売後の3年後の2011年の日本が舞台となっています。
このゲームには、現実の世界と同じように時間帯と月日の概念があります。主人公たちは高校生なので、平日の昼間は学校で生活します。放課後になるとクラブ活動やアルバイト、そして犯人の追跡(=町の失踪者の救出)などができるようになります。
また天候の概念もあり、晴天、曇り、雨の3種類があります。この天候によって行動に制限ができたり、逆に選択肢が増えたりします。1週間の天気はテレビの気象予報等で確認することができます。
雨の日が続いた後は、霧が発生してある事情で失踪者を救出できなくなり、ゲームオーバーとなるので、計画的に日々を過ごす必要があります。
学校やダンジョンなどのエリアは完全3Dで表現されていて、360度移動することが出来ます。カメラ移動させることで視点を変えることもできます。
今作は、大マップから移動したい場所を選択し、選択したエリアを散策できる形式になっています。
学校やダンジョンとは異なり、商店街や河川敷などはカメラが固定式になっていて、決められた範囲しか移動できません。
今作のキーのひとつ、「マヨナカテレビ」。雨が一日降っている日の午前0時にテレビを見ると、自分の運命の相手が見えるという触れ込みから巷で流行している現象です。
ですが、本当は映った人物は…。
失踪者の救出は、大型スーパー「ジュネス」のフードコートに集合してから出発します。
理由はジュネスの家電売り場にある大型液晶テレビから、「テレビの中の世界」へ行くことで失踪者を追うことが出来るからです。詳しく書くと、ネタバレになるのでこの辺で…。
ちなみにこの「クマ」は元々テレビの中の住人。主人公達に色々協力してくれます。が、色々迷惑もかけてくれます。今作の愛すべきマスコットキャラクターです。
ここがテレビの中の世界。ここから各ダンジョンへ移動できます。ダンジョンを探索し、最奥部へ行き失踪者を救出するのがここでの目的です。
ちなみにこのキャラは、いつも明るく肉とカンフーが大好きな「里中千枝(さとなかちえ)」。でも虫が嫌いという女の子らしい面も持っている子です。ちなみに料理の腕前は壊滅的で、あるイベントでは破壊力抜群のカレーを親友の雪子と作って、主人公と陽介を地獄へと誘います。でもこういう元気な子は好きですよ。
ダンジョンは自動生成型になっていて、来るたびにフロアの構造が変わります(固定フロアのあるダンジョンもあります)。
主人公たちの前方でうごめいているのが「シャドウ」で、今作の敵になります。『2』までは敵は悪魔でしたが、どうやら変わったようです。
今作はシンボルカウント制で、敵と接触するとバトルとなります。
バトル画面。ブラウン管型テレビの枠が画面にあるのがニクイ演出。
今作はパーティーメンバーは主人公含め4人、そしてバトル中敵を分析してくれたり注意を促したりしてくれる「ナビゲーター」1人。ちなみにナビゲーターは離れた場所からペルソナを使って遠隔でナビゲートしているので、戦闘には参加できません。それでもフルボイスで実況中継さながらのナビゲートをして、バトルを盛り上げてくれます。
ちなみにこのゲーム、主人公が戦闘不能になったらその時点でゲームオーバーです。ほかのパーティーメンバーが生きていてもダメです。ここが『2』よりシビアになったところですね。
それからテレビの中の世界では、ある理由からクマ以外皆特殊なメガネをかけています。クマは目がレンズになっているのでメガネと同様の効果を得られているということです…。
バトルは3Dで描かれ、360度様々な視点からバトルの模様を見せてくれます。
これは主人公のペルソナ「トランペッター」召喚シーン。
今作では、バトルシステムが『2』までと一新されています。敵、見方とも弱点属性と耐性属性が設定されていて(ない場合もあります)、その弱点属性で攻撃することで相手をダウンさせることができます。
ダウンさせると「1MORE」が発生し、もう一度行動ができます。ダウンした相手は自分のターンがまわってくるまで、行動不能になります。
敵全員をダウンさせると、パーティーメンバーが総攻撃をかけるか否か主人公に指示を仰ぐので、ここで「はい」を選択すると、カットイン画像が入り、メンバー全員で敵全員に総攻撃をしかけます。この攻撃は万能属性で、ほとんどの敵に大ダメージを与えます(万能耐性のある敵にはあまり効きません)。
ドクロの噴煙が上がったら、パーティーの勝利です。
この弱点攻撃→1MOREでさらに別の敵に弱点攻撃→さらに1MORE…→総攻撃のリズムがとても気持ちよく、RPGの戦闘のBGMとは思えない軽快なボーカル曲と相まって、独特の爽快感と高揚感を味わえます。
バトル終了後、手持ち以外のペルソナが手に入る「シャッフルタイム」というミニゲームに入ることがあります。
赤いカチューシャを付けている「天城雪子(あまぎゆきこ)」のペルソナ、「コノハナサクヤ」。
今作ではペルソナが一度に保有できるスキルは8つまでとなっています。NEXT LVで表示されているスキルは、該当レベルに上がった際に覚えるスキルです。先述したように8つまでしかスキルは保有できないため、新しいスキルを覚えたら代わりに別のスキルを捨てなければいけません。この何を残して何を捨てるか計画を立てるのも、キャラクター育成の楽しみになっています。また、?マークはまだ覚えていないスキルを表していて、この場合、「アギダイン」を入れてあと7つスキルを覚える、ということになります。
尚、今作ではペルソナは1人1体の専用制になっています。主人公だけ、特殊な「ワイルド」という能力を持っているため、複数のペルソナを所持し必要に応じてペルソナをチェンジすることができます。
正直最初は「えー」と思いましたね(苦笑)。『2』まではメンバー全員がペルソナを複数扱えましたから。それでもこれはこれで先述したような楽しみが生まれたので、今では悪くないと思います。
今回の「ベルベットルーム」。リムジンのような長い車の車内という設定です。
今作では「ペルソナ全書」というシステムが搭載され、一度手に入れたペルソナはこの全書に登録しておくことで、そのペルソナを合体材料にしたり捨てたりしても、有料でまたすぐに手に入れられるようになりました。
特殊合体で必要になった際に、すぐに該当のペルソナが手に入るのはかなり便利です。
今作では主人公のステータスに「勇気」、「根気」、「寛容さ」、「伝達力」、「知識」の5つの項目があります。これは、授業で当てられた際に正解した場合や、アルバイトなどで上がっていきます。
これらの項目が一定値に達していないと、特定の人物と後述する「コミュ」が築けない場合があります。
コミュとは、仲間や出会った人物達と交流をすることによって育まれる絆のことです。
それぞれ条件を満たすことによってコミュが発生し、イベントを経てコミュランクを上げていくことになります。ランクは1 からMAX (10) の10段階で、上がれば上がるほど、ペルソナ合体で経験値ボーナスなどの特典が得られます。MAXになると、そのアルカナの最上位ペルソナが新たに合体解禁されます。
私自身、このゲームの最大のウリはこのコミュだと思っています。仲間を含め、色々な人たちとコミュを築き、イベントを通して友好を深めることで、実際の現実世界でも普段見落としがちなことに気づけたり、生きていくうえで大事なことを教えられたりしました。
画像の一条は大好きなキャラです! 相棒の長瀬もいいヤツで、運動部の絆は羨ましいくらい最高!! 私もこんな連中と部活したかったですよ(TДT)
長瀬「いつも一緒にいるのが友達って訳じゃねーだろ…」
一条「いつでも帰って来いよ。ここ、お前のフルサトだかんな」
この二人の台詞は忘れられません。
また、特定の女の子とのコミュは、コミュレベルが上がると交際するかどうか選択できます。実は何人とも付き合えますが、常識的に行動しないと後で気まずいイベントが起こる事も…(・∀・)
「ナースコミュ」での会話シーン。社会人になってこういうことを言われると、色々考えさせられますね…。
学校の昼休みに、コミュを築いた人物から放課後の誘いを受けることもあります。尚紀は好きなキャラなので探索放棄して勿論オッケー!
姉が二人目の殺人事件の被害者となってしまった「小西尚紀(こにしなおき)」。姉が死んだという現実をまだ本心で受け入れられないのに、周囲の遠慮がちな優しさや気遣いをうっとうしいと思っています。
彼はシュークリームが好きで、よく近所の店で買って冷蔵庫に入れていましたが、度々姉に食べられてしまっていたそうです。でも姉が死んでからは、それを食べてしまう人がいなくなった…。
このコミュは尚紀の心の整理が徐々に出来てきて、現実を素直な心で受け入れられるまでの様を丁寧に描いていて好きです。コミュ9、MAXのあたりでは涙腺がちょっとゆるんでしまいました。
寄宿先の堂島家にて。従妹の「堂島菜々子(どうじまななこ)」。小学一年生ながら、仕事が忙しく帰りがまちまちな父・遼太郎(りょうたろう)に代わって、家事の切り盛りをするしっかり者の女の子。母親は残念ながら交通事故で他界しています。
主人公に対して最初は遠慮がちな態度で接してきますが、後に「お兄ちゃん」と呼び、慕ってくるようになります。
最高に可愛い。
空気も読めるし、人への気遣いもできるとても良い子。いったいどれだけのプレーヤーの心を鷲づかみにしてきたのか。こんな妹が欲しいよ!
彼女のコミュもまた必見です。そして父親の遼太郎のコミュも個人的に大好きです。ある理由から、菜々子よりも刑事の仕事を優先させてしまい、本人もこのままでは良くないと分かっていながらも前へなかなか進めない…。そんな彼が出した結論には、「本当の家族」というものについて教えてもらいました。
今作は学生ならではのイベントも盛りだくさんで、特に林間学校と修学旅行では笑わせてもらいました。文化祭のコンテストも良かったですね~。2つの意味で。クマ、ナイス!
私はあまりにこのゲームの世界が心地よくて、300時間弱かけて3周しました。攻略本も何年振りかで買い、さらにファンブックである「ペルソナ倶楽部 P4」を初代ペルソナ以来振りに買ってしまいました。これほどハマッたゲームは本当に久しぶりでした。
総評:私のメガネにとてもかないました!!
今までプレーしたRPGの中で一番ハマッたゲームです。
単純にゲームとして面白いだけでなく、様々なことを気づかせ、教えてくれるゲームです。DSに飽きた私でしたが、これは夢中になって遊べました。
エンディングで嗚咽したゲームはこれが初めてです。…いい大人が。。。
また、良曲が多すぎてサントラをレンタルしたのもこのゲームが初めてです。
ゲームという娯楽ジャンルの中で、極上のエンターテインメントを味わわせてくれた作品でした。
当ブログをご覧頂きありがとうございました!
それでは また。
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